ここにいるのは、特別な少女ではありません。
ここに書かれているのは、特殊な悩みではありません。
ここで起こった出来事は、まったくの他人事ではありません。
もしかしたら自分だったかもしれない、「もう一人のわたし」――。この本の中にいるのは、そんな一人の少女です。
南条あやさんは、高校三年のとき、ほぼ一年間にわたってインターネットで日記を公開していました。リストカット癖や鬱などと戦いながら、友人には「卒業するまでは死なない」と約束していたそうですが、その言葉通り、卒業後に亡くなってしまいました。
ですが、彼女の日記は決して暗く物悲しいものではなく、明るく、過激なまでにポップな文章で綴られています。自分の悩みを笑い飛ばすかのように。
この本は、その日記の最後の四ヶ月分と、死の前日に書かれた詩、香山リカさんの解説などで構成されています。
頻出するクスリ関係の知識や、繰り返されるリストカットの描写、そして最終的には亡くなってしまったことなどから、この本に拒否反応を示す方もあるかもしれません。
ですが、冒頭で申し上げましたように、この本に書かれているのは、決して特別なことではないと思うのです。
私は、明るくポップに綴られた文章の奥底で、悩み考えるあやさんの姿に胸打たれ、感動しました。同じような悩みを抱える多くの人に、「あなたは決して一人じゃない。だから頑張ろう」と伝えたい。こんなにも生き生きとした文章を、広く世の中に紹介したい。そんな気持ちで編集に携わってきました。
あやさんは、結果的に残念なことになってしまいましたが、だからこそ、彼女の言葉はきちんと伝えていかなければならないと思うのです。
そして、出来ることなら、同世代だけでなく、そのご両親の世代の方々にも読んでいただきたいと思っております。
彼女の悩みは、決して特別なものではないのですから――。
●香山リカさんより (香山リカさんの本書「解説」より抜粋)コメント
これを書いた当事者である南条さんは、もうこの世にはいない。 そういったことを知った上で読み出したにもかかわらず、私は何度も「これって、その後、活躍することになった作家の若かりし頃の日記?」と思っては「いや、そうではない。これは"栄光の記録"とは少し違うんだ」と自分に言い聞かせなければなりませんでした。 (中略)それはひとえに、南条さんという人が表現すべき"自分"を持ち、さらにはそれを人に伝達すべき"ワザ"を持っていたからです。
●相馬ヰワヲさんより ABC注※ABC代表相馬氏です。
「卒業式まで死にません――女子高生南条あやの日記」は、生前インターネットで、自らの日記を連載していた、私の交際相手の少女の日記を中心にまとめたものです。 南条あやは1999年3月30日に突然、死因「推定自殺」でこの世を去りました。 リストカッターにしてクスリマニアの少女の不思議と明るく、笑える、だけど痛くてつらい日記は、ネットで人気がでて生前からマスコミに取り上げられていました。 刊行される8月が、生きていれば20歳になる誕生日。 ローリングストーン少女への父親からの最後のプレゼント。
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